《MUMEI》 「‥ちゃんと答えなさい。毛糸って何に使うの‥?」 「‥‥‥ええと‥」 今答えるとプレゼントの意味がなくなってしまうんですが‥。 「‥?」 お腹の音‥? 「‥何よ」 「何かお作りしますね」 「‥いいわよ別に」 「少々お待ちください」 「ちょっと篠河ッ」 花禀様の声が、後ろから聞こえた。 僕は逃げるようにキッチンに駆け込んで、支度に取り掛かった。 グラスにコーンフレークとアイスクリームを入れて、果物を飾る。 そして、上からチョコレートシロップを。 かなり即席だけど──花禀様、きっと気に入って下さるはず。 「ちょっと篠河!?」 「お待たせしました、チョコレートパフェです」 前へ |次へ |
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