《MUMEI》

「それで──ずっと会ってたんだ?」

「うん、だけど春の終わり頃──ぱったり来なくなって──染め物屋さんに行ってみたら、風邪引いて寝込んでたんだ。でも──すぐ元気になったから良かった」

「あの頃は風邪といっても侮れなかったからな‥」

「そうですよね──大事に至らなくて良かった」

「そういえば‥青嵐も寝込んだ事があったな」

「ぁ──覚えてましたか」

「薬師を呼んだり大童だったな──」

「あはは‥すいません、ご迷惑おかけしました」

「ぃゃ──君は本当によく働いてくれていたからな──」

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