《MUMEI》

「花禀何だか楽しそうね──」

「はいっ‥そう‥ですねっ奥様‥」





さっき‥楽譜を一緒に見に行かれる約束をしてらしたけど‥‥‥あれじゃないよな‥?





違う違う‥。





花禀様と神山は‥そんな関係じゃない‥はず‥。





「‥!?」





またあの曲が始まったぁぁ‥。





‥花禀様‥‥‥僕は本気でこの曲を嫌いになりそうです‥。





「篠河君‥?」

「済みませんっ‥‥‥僕デザートの下拵えをしなくてはっ」





考え過ぎ‥なのかも知れない。





うん‥‥‥。





でも気になるな‥‥‥。





「〜〜〜〜〜〜‥」





よしっ‥‥‥決めた。

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