《MUMEI》
志貴と柊の心配
その後、結局四人でマドレーヌを食べた。


松本がペットボトルの紅茶を四本買ってきた時点で、こうなる事を予想していた俺は、普通にその展開を受け入れた。


が…


「…何やってる?」


マドレーヌの皿と調理器具を洗いに行ったはずの石川と松本の動きが


はっきり言って、怪しかった。


「くるみちゃんのオムライスおいしいんですよ」

「美鈴ちゃんのポテトサラダとミネストローネ、絶品なんだよ!」

「俺は、配食サービスが…」

「断っちゃった」

「はぁ?」


俺は隣で笑う厳を睨んだ。


「志貴がね。『祐也、ウエスト前より細くなった』って心配してたよ」

「そんなに減ってない」


…実際、俺の体重は四月学校で測った時より一キロだけ減っていたが。


「祐也、元々華奢だし。だから、柊も心配して連休の時来ただろう?」


(そういえば…)


GWの時、やたらと柊が食事に誘ってきた。


二人だけの時もあったが、大体希先輩と三人の時が多くて


「…のろけたいだけだと思ってた」

「まぁ、それもあるだろうけど」


苦笑する俺と厳をよそに、石川と松本は着々と夕食を作っていた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫