《MUMEI》

◇◇◇




「──ぁ‥」

「?」

「すっかり時間が経ってしまったな‥」

「そうですね──」

「綺麗だな、夕陽」

「はい──」




 丘の上から見る夕陽は、本当に綺麗だった。




 特に、黄羽様と見る夕陽が。




 ずっと、見つめていたい位に。




「明日も良い日和になりそうだな」




 その時の黄羽様の瞳も、綺麗な菫色だった。




『さて‥戻らねばな‥』

『黄羽様』

『ん‥』

『また──来て下さいますか』

『ぁぁ、必ず』




◇◇◇

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