《MUMEI》

「──ぇ」

「雅楽師‥?」

「ぁぁ、流奏(るそう)といったか」

「流奏──」

「何の話?」

「ゎ‥」




 ツバキ‥。




「何か話してた?」

「──えっと‥」

「?」

「加藤先輩──」

「──見たの!?」

「ぃゃ──だって教室の前で話してたじゃん」

「聞こえてた訳じゃないわよね‥?」

「うん、まぁ」

「‥‥‥‥‥‥‥」

「──ツバキ?」

「ちょっと黙ってて」




 ツバキ‥動揺しているみたい。




「何よみんなして‥」

「加藤先輩の事──ご存じですか?」

「──ええ‥」

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