《MUMEI》
一年と三年の優勝者
「四位とは無様だな祐也」

「鏡月。優勝おめでとう」


三年の一位は、運動部、特に陸上部が多くいる鏡月のクラスだった。


「っ…、俺は何もしてない!」

「リレーと走り幅跳び出ただろう?」


拓磨に注目した時、待機している鏡月の様子も俺は見ていた。


「み、見てた!?」

「うん。意外とすごいんだな」


鏡月は、拓磨と僅差で四位だった。


「悪かったな意外で!」

「悪くないよ。すごいよ」


それは俺の本音だった。


「あ、あり、あり…ありが」


(?)


鏡月の言葉は小声で俺には聞こえなかった。


「何?」

「何でもない!」


その時


〔祐也〜!俺優勝!〕


サントスが手を振りながら、こちらに走ってきた。


「こら、日本語で喋れよ」

「ごめんごめん。嬉しくて」


(まぁ、無理も無いか)


サントスのクラスは、サントスのおかげで優勝したようなものだった。


「おめでとう、サントス」

「ありがとう、祐也!じゃーな!」


慌ただしくサントスは同級生達の元へ走って行った。


その後。


『ありがとうなんて言わないから!』と叫んで鏡月も去って行った。

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