《MUMEI》

「あっ、お帰り篠河君──‥どうしたの?」

「‥これ──オリーブオイルです‥」

「ぁ‥ありがとう──。‥大丈夫?」

「‥はい‥全然平気ですよ‥?」

「ほんと何があったの‥?」

「‥‥‥見てしまったんです、花禀様が──神山さんと‥デ‥‥‥」

「? お2人は確か楽譜を買いに──」

「違ったんです‥」

「ぇ‥?」

「花禀様は‥神山さんと‥‥‥」

「まさかぁ」

「そのまさかなんです‥‥‥」





僕はこの目でハッキリと見ました‥。





この耳でハッキリ聞きました‥。





間違いないです‥っ。

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