《MUMEI》 「‥‥‥ぇ‥」 「約束する。だから心配しなくていい」 「‥菜畑‥」 「取り敢えず戻らないか、教室に」 「──ええ。サクヤ、行きましょ」 ツバキに呼ばれて、私も歩き出した。 「───────」 歩きながら、さっき聞いた事を思い出す。 加藤先輩も‥ずっと言えずにいたんだ。 好きだ、って。 自分は雅楽師で、小雪様はお后様で。 何だか‥私と黄羽様に似ている気がする。 でも‥先輩の方が辛かったんだ。身分の違いだけじゃなくて‥その人の気持ちが別の人に向いているのをずっと見ていたんだから‥。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |