《MUMEI》

「だから『気分転換』よ」

「──何で気分転換?」

「けじめよ」

「けじめ‥?」

「そう。けじめ」




 凛とした声で言って、ツバキが席に着く。




「──どうかした?」

「ううん‥」




 けじめ、って──黄羽様の事‥かな。




「──ねぇ」

「?」

「この前、聴いてたのよね」

「ごめん‥すっごく綺麗で──」

「別にいいけど?」

「いいの‥?」

「一応、友達‥って事に免じて許してあげる」

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