《MUMEI》

桜井を追う三島。


(こいつ…!!)


俊足の桜井にとっては初めて経験だった。


後ろから迫るディフェンスを肌で感じたのは。


(マジで俺より速ぇぇ…!!)


ドリブルをする桜井の後ろから…


(貰った…!!)


三島が迫る。











「ピー!!」











審判の笛が鳴り響く。









(こいつ…)










(あっ…ぶっ…ね〜…)










桜井の後ろからカットを狙った三島。


『ボールを取られる。』


そう判断した桜井は、


ゴールまでの距離を考えずシュートモーションに入った。


カットの勢いがついた三島は桜井に突っ込み両者は倒れた。









(カットのはずが逆に7メートルを取られるなんて…


こいつマジで上手いな…


つ〜かコレ…


俺のせいじゃないよな?)


「二ノ宮ぁ!!」


「…うっす。」


7メートルラインに向かう二ノ宮。


「すいません泉さん!!」


「気にすんな。」

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