《MUMEI》 「あっさくら〜。」 カウンターに備え中央ラインにいる麻倉に、 川上が近づく。 「何ヌルいことしてんの? 声は出さない。 指示も出さない。 攻める気ない。 ミスしても追わない。」 「…すいません。」 「お前のユニフォーム狙ってるヤツいっぱいいるよ? わかってる? …やる気ないなら下がれよ。」 「…」 「…何黙って、」 「ナイッシュー!!」 二ノ宮のシュートが決まる。 「ちっ… しょうがね〜。 取り返すぞ。」 中央ラインに並ぶ川上。 「…」 麻倉から攻める気が感じられない。 それはこの場にいる誰もが感じていた。 (頼むよ麻倉… ポジションは違うけどさ、 俺結構お前のプレーリスペクトしてんだぜ? このまま下がるなんて許さね〜ぞ?) しかしそんな三島の願いも、 今の麻倉には届いていなかった…。 前へ |次へ |
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