《MUMEI》

2:0


そう書かれたスコアボードを三島は見ていた。


(連取されたか。


まぁまだ試合始まったばっかだけど、


相手が相手だからな…。


けど、


負けらんね〜。


黒田さんに追い付くまで、


絶対負けないって決めたんだ…。)


「ピッ!!」


審判の笛と同時に走りだす秀皇。


攻撃のリズムを大事にしたかったのだ。


しかし、


そのスピード、


リズムに麻倉は乗り切れない。


前半4分。


「麻倉!!」


麻倉健二。


早くもベンチへ。


「ちっ…」


代わりの選手が来るまでの間、


パスを繋ぐ秀皇。


麻倉の代わりのセンターが来ると同時に、


川上はすぐに仕掛ける。


ロングシュートだ。


長身川上。


対象的に背の低いディフェンス鈴木の頭の上からシュートを打つ。


(低ッ!!
やっ…)


「バンッ!!」


キーパー手前でボールがバウンドする。


(バウンドシュートか…!!)


「ナイッシュー!!」


2対1。

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