《MUMEI》 二ノ宮からパスをもらい、 桜井が1対1を仕掛ける。 (そう何度も…) 間を詰めるディフェンス。 ディフェンスの足が動くと同時に、 桜井は右45鈴木にパスを出す。 「…」 桜井の1対1によりディフェンスがずれた為、 鈴木はここで、 正真正銘の1対1を仕掛けることができた。 2枚目を守る… 川上に。 (1対1? 舐めんなよチビ? 攻撃力だけでエースを名乗る気はない。 ディフェンスが上手いからこそ、 2、3枚目を任されてんだ。) (わかってる。 うちのエースを見てきて、 エースって名前の重みがどれほどのもんかはわかってるつもりだ。 けど、 それでも俺は、) 「なっ…!!」 長身の川上は、 腰を降ろしお手本のようなディフェンスを行っていた。 しかし、 鈴木には小さい体ながらも鍛えられた筋力、 そしてスピードを持った突破力があった。 小柄、 であることを最大限に活かした潜り込むような突破。 長身の川上を、 165センチの鈴木が抜き去る。 (負ける気がしない。) 「ナイッシュー!!」 3対1。 前へ |次へ |
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