《MUMEI》

「黒手毬は来ているか?」




「今日はまだ来ていないが」




「ふむ──」




 そうか、と言い、ぴょんっ、と廊下に飛び上がる。



 そして、二人の前に座る。




「‥?」




(何かあるのか‥?)




「実は──今日は遊びに来たのではないのだっ」

「何‥?」




 珍しい事もあるものだな‥と桜は思う。




「して‥何の用だ?」




「うむっ、実はな?」




「ぁぁ」




「今日は雨が止むのだっ」




「‥止む?」




(満月が見られるという事か──)

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫