《MUMEI》 「黒手毬は来ているか?」 「今日はまだ来ていないが」 「ふむ──」 そうか、と言い、ぴょんっ、と廊下に飛び上がる。 そして、二人の前に座る。 「‥?」 (何かあるのか‥?) 「実は──今日は遊びに来たのではないのだっ」 「何‥?」 珍しい事もあるものだな‥と桜は思う。 「して‥何の用だ?」 「うむっ、実はな?」 「ぁぁ」 「今日は雨が止むのだっ」 「‥止む?」 (満月が見られるという事か──) 前へ |次へ |
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