《MUMEI》
十四章 トワノヤクソク
 ツバキと加藤先輩は、日に日にどんどん仲良くなっていった。




 ミドリと碧山君も。




 私とアゲハ君は──。




「‥来週‥?」

「ぁぁ‥‥‥」




 ‥突然だった。




 急に‥アゲハ君がまた転校する事になった。




「いつ‥また会える‥?」

「桜が咲く頃‥」

「‥‥‥そっか‥」




 もう、離れ離れになるなんて事はないと思っていた。




 ずっと‥一緒にいられるんだと思っていた。




 ‥でも。




 私は‥安心し過ぎていたのかも知れない。

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