《MUMEI》

「え!? 何それっ‥てかあたし聞いてない」

「──また随分といきなりだね──」

「何で菜畑が転校‥?」

「色々──両親が忙しいみたいで‥今までも、何回も引っ越してたんだって」

「だからって‥菜畑春来たばっかじゃん‥」

「ていうか早く言えっての‥」

「ううん──」

「‥?」

「丁度良かった」

「ぇ‥」

「もうすぐ春も終わりだし──」




 アゲハ君は、ちゃんと‥いつ言うのが一番いいか考えていたんだ。




「ちょっ‥サクヤどこ行くの?」

「屋上──行ってくる」




 少し‥独りになりたいんだ。

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