《MUMEI》
プロローグ
 どうにも俺には理解出来ないというか好きになれない話、つまり聞かなくて良いのならパンをちぎって耳栓がわりにでもしたくなるような、そんなどうでも良い話がある。

 偶然にもその聞きたくない話を好きこのんでする奴が俺の親友だったりするからストレス社会と言われるこの世界、それを十分に満喫することができている。

 さっきから俺の部屋にやって来た坂本が延々と繰り返すその話は所謂、単なるのろけ話で、俺には全くもって興味もない話しなわけだから適当に相槌を打ったりしながら暗算で今月分の家計簿をつけ、もっと節約しなきゃなと結論づけたところでやっと坂本ももう話すことがなくなったらしくようやく安静な沈黙が帰ってきた。坂本の話しなんてほとんど記憶にない。覚えているのは新しい彼女の名前が奈々というのと可愛い猫を飼っているという事ぐらいか。

 俺は人様の色恋沙汰には全くもって興味がない。芸能ニュースなんか以っての外だ。何故皆は他人の恋愛事情に首をつっこみたがるのだろうか?ほっといてやれよ。そして坂本のように自慢(?)してくるのも勘弁願いたい。

 そんな俺だからこの時気付けなかった。もっと真剣に聞くべきことがあったということに。これから起こる全てのネタ振りはもうこの時点でなされていたのだから。

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