《MUMEI》

「それで──今は菜畑独りで屋上‥?」

「うん‥‥‥かなり気にしてたみたいだよ」

「あいつ意外と繊細だからなぁ──」

「それで‥‥‥此花さんは‥?」

「──ぁ──‥サクヤは図書室‥たぶん。てか本読むとかじゃなくて‥独りになりたいんじゃないかなぁ‥。ぁ〜ぁ‥せっかくまた会えたのに‥」

「でも、今度も絶対また会えるよ」

「でも一年後でしょ‥?」

「一年でも二年でも──此花さんは待つよ。君がよく分かってるんじゃない?」

「──うん‥確かにサクヤはそうかも‥。昔だってずーっと待ってたんだもんね‥」

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