《MUMEI》

 アゲハ君が転校する日まで‥‥‥あと三日。





 今日は、土曜日。




 どっちから、という訳でもなく‥私達はあの花園で待ち合わせていた。




「‥済まない、黙っていて‥」

「ううん。わざと黙っててくれてたんでしょ?」

「───────」

「ありがとう」

「‥怒っていないのか‥?」

「怒るはずないよ──何も悪い事してないもん」

「──‥離れたくない」

「‥ぇ」

「君と‥‥‥離れたくない。本当は‥」

「ねぇ」

「ん‥」

「約束──してくれる‥?」

「‥約‥束‥?」

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