《MUMEI》

「ずっと‥‥‥ずっと忘れないで欲しいんだ、私の事──」

「それだけ‥なのか‥?」

「──うん。それだけ」

「──分かった、約束する」

「ありがとう」

「こちらこそ」




 ──久し振りに、アゲハ君の笑顔を見た。




 やっぱり、笑っているアゲハ君が一番だ。




「──結局‥一度しか出来なかったな──」

「また来年──ほら、一緒に京都行こうって」

「ぁぁ。リコも一緒に、な」

「リコちゃん凄く楽しみにしてるみたいだよ」

「そうだな──」

「‥‥‥‥‥‥‥」

「サクヤ‥?」

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