《MUMEI》

老人は、たった独りきりの食事を終えると、ドレスルームで自慢の白い髭を丹念に整える。



そして、昨日オーダーメイドから上がったばかりのスーツに袖を通した。



土曜日のこの日、通常ならば会社は定休日だ…。



しかしジャムおじさんは、ワイシャツにネクタイを締め、出社する身支度を整えていた。



食中毒事故の残務整理が残っているからだ――…。




執事「社長、お帰りは何時頃のご予定ですか…?」



おたふくソースと青海苔を丸顔にまぶした執事が、ジャムおじさんに話しかける。



J社長「おそらく今夜も遅くなるだろうな…。


日付が変わる頃に、会社に迎えを寄越してくれ。」



執事「かしこまりました。」



ジャムおじさんは、たこ焼きマン執事から、鞄とステッキを受け取った。

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