《MUMEI》

【サクヤへ】




 ──綺麗な字。




【先日渡した書の最後の頁に、文が挟んである】




 文‥?




「菜畑何だって‥?」

「──文‥」

「文‥? ──ちょっ‥どこ行くの!?」

「書取りに行って来る!!」

「書‥?」

「うん!」




 ──気付かなかった。




 あの書に‥文が挟んであったなんて。




「──えっと‥」




 最後の頁‥。




 ぁ‥。




「これだ‥」




 折られずに、挟まれた半紙。




 少しでも力を加えたら、すぐに破れてしまいそう。

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