《MUMEI》

「‥『うづき』‥『約束を破って』‥『本当に済まない』‥‥‥『私は今』‥『大内裏を離れる事が出来ずにいる』‥」




 文を持つ手が‥震えてきた。




「『これが』‥『最後の文になるかも知れない』‥。『だから』‥『本当の事を綴る』」




 ‥そこには、こう書いてあった。




「『ずっと』‥『私は嘘をついていた』‥‥‥『何でもないように振る舞っていた』‥‥‥。『私は』‥『君が好きだ』‥‥‥」




 ‥好き=d。




「『もしも』‥『もう一度君に会えるのならば』‥‥‥『誓おう』‥‥‥『必ず』‥『約束を守ると』‥」




 ‥そして最後に‥こう書かれてあった。




「『せめて』‥『この一枚だけは』‥『君の元に届く事を願う』‥」

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