《MUMEI》

「──ぇ、マジそれっ‥!?」

「うん」

「よく残ってたね──」

「これが‥黄羽様の‥本当に最後の手紙なんだ」

「ぇ?」

「黄羽様は‥毎日のように文を書いてらした‥。でも‥全て燃やされてしまっていた」

「嘘っ!?」

「本当だよ‥。唯一‥この手紙だけは俺が保管していたんだ。それで‥見つからないようにその書に挟んでおいたんだけど‥」

「──へぇ──。青嵐が取っといたんだ──」

「何話してるの?」

「ぁ、ツバキ──」

「──それ‥」

「黄羽様の手紙」

「──良かった。やっと届いたのね」

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