《MUMEI》

 ツバキと加藤先輩が屋上に向かって行ったのを確かめてから、ミドリが切り出した。




「よしっ、サクヤ──放課後桜餅食べ行こっ?」

「桜餅‥?」

「何か急〜に食べたくなってさぁ──。ねっ? 行こ行こ♪」

「──うん」




 私を気遣ってくれているんだと──すぐに分かった。




「じゃあ、碧山君達も一緒に──」

「ぁ、すいません俺──今日ちょっと用事で」

「って事でさっ、久々に親友同士で語り合おうじゃん♪」

「あれ、何か趣旨変わってない?」

「うっさいソラ」

「──ふふっ」




 何だか、楽しい。

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