《MUMEI》

はるちゃんは”兄弟”が好きなんだ。

”自分に近い人”が好き。

だからまだまだ子供なんだな。

でもはるちゃんは恥ずかしがり屋だから”好き”って事を伝える時、ちょっとひねくれて伝えたりするんだよね。

日本語で言う所の”ツンデレ”ってやつかな、俺に冷たくしてきたり意地悪してくるけど、それで”好き”って事を俺に伝えてるんだよね。

だから俺もそれに答えて、はるちゃんの事ずっと好きでいるからね。

でも…もしかしてはるちゃんにもいい人が現れたら…その時、俺はやきもち焼いちゃったりするのかなぁ?

まだそんな事考えられない、俺らは二人で一つなんだから。

はるちゃんの事をべったり大好きなのは、もしかしたら俺の方なのかもしれない。


「あ…あれ…ι」

珍しく考え事をしていたら、いつの間にかはるちゃんと武が居なくなってしまった。

周りに人が多すぎて、はるちゃんと繋いでいた筈の手がいつの間にか離れてしまったみたいで、人混みの中にポツンと俺だけになってしまっていた。

「そ、そうだ携帯……ぁι」

はるちゃんが持ってけって言ったんだけど、俺は浴衣でかさばるからってんで部屋に置いてきちゃったんだっけ。

「…武〜はるちゃーん…ドコぉ…ι」

呼んでも探しても、やっと見つけた背が高くて髪の長い人は女の人だったり、金色の髪は派手なお兄さんやお姉さんだったりして、全然見つける事ができなかった。

「…どうしよ…ぅ〜ι」

もう、どうしようもなくなって、泣きたくなってきた…。

「あれ、泣いちゃってどうしたんだい?」
「な、泣いてないもん…あれ……先輩///」

= = = = = = = = = = = = = = = = = = = =

「お前、手ェ繋いでたんだろ」
「そうだけど、人混みが凄くて…」

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