《MUMEI》
演劇部見学隊
今年の一学期中間テストは、文字通り丁度陸上クラスマッチと文化祭の中間に行われる。


普通は、テストと言えば部活は休みなのだが、文化系のいくつかの部は、文化祭準備の為に部活を行っていた。


(だからって、何で皆ついてくるかな…)


放課後


俺の横には、テスト期間中バイトが休みの志貴


と、英語の単語帳片手にブツブツ呟く、部活が休みの拓磨


それから、更に後ろに


同じく部活が休みの守


特に文化祭だからと特別な事はしないからと、文化系で唯一普通に休んだ園芸部の、緑川と鏡月がいた。


ちなみに


いつも一緒にいる真司・瀬川・渡辺の三人は、テスト勉強の為に図書室に行った。


「なぁー、勉強しなくていいのか?」


志貴はいいとしても、他のメンバーが気になり、俺は質問してみた。


特に今日は、テスト前日で、演劇部のメンバーも一部休んでいる位だったから。


「大丈夫」


俺の質問に全員同じ答えが返ってきたが


拓磨の顔は明らかに引きつっており


守は『今更だから』と笑顔で付け加えた。


「一応、洋子先生と貴志先生来たら挨拶しろよ」


二人は珍しくまだ来ていなかった。

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