《MUMEI》

 ──夏。




 ──秋。




 ──冬。




「──うう‥寒〜っ」

「でも──だんだんあったかくなってきたよね」

「え〜? まだ寒いじゃん‥」

「ミドリは昔から寒がりだよね」




 碧山君が、笑って言ったら。




「あんたに言われたくないんだけど」




 ほっぺたを膨らませて、ミドリが反論した。




「とにかく学校行こ? 遅刻しちゃうじゃん。──ってかもうすぐ3年かぁ‥」

「ほんとだ、来年には卒業だね」

「ぁ〜〜〜あたしまだ進路とか決まってないし‥」

「じゃあ俺の所に来る?」

「はっ‥!?」

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