《MUMEI》

「にしても‥よくあんなビスケットみたいに硬いベッドの上で寝られたわね」

「いえ‥」





あれでもかなりフカフカですよ‥?





「あんたが倒れた時‥」

「‥?」

「私パニクってた」

「ぇ‥‥‥」

「いきなりブッ倒れるんだもの──。バターンって」

「申し訳ございません‥」

「ま、余計にバカにはなってないみたいだから安心したけど」

「お陰様で‥」

「褒めても何も出ないわよ?」

「──ハ‥‥‥ハイッ‥」





何も出なくていいんです。





そうやって笑って頂けているだけで幸せですから──。

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