《MUMEI》

 ──賑やかだった。




 特に、ミドリと碧山君が。




 そこにツバキが入ると、本当にお祭り騒ぎだった。




 ──二学期が終わって、私達は春休みに入った。




 桜の蕾が、ちょっとずつ膨らんで来ている。




 向こうの桜は──どうなっているだろう。




『桜の咲く頃になったら』




 もうすぐ、約束の時が来る。 君と、また会える時が。




 ──早く春が来ないかな。




 早く、君に会いたい。




 ずっと──君の事ばかり考えているんだ。




 君の顔ばかり思い浮かべているんだ。




 ただ、君に会いたくて──。

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