《MUMEI》

《…あれ?…ケンちゃん今日も休みか……… 》

次の日も ケンちゃんの姿は 青果市場になかった


《あ〜 ぁ …… 長くなるな…… 》

フサシにとって同じバイト扱いで年も近く気の合うケンちゃん…(本名矢野 ケンイチ) だけが 辛い仕事を忘れさせてくれる仲間だった 。


また8 時間… 辛い1日が始まると思うと………フサシは途端に気が重くなっていく


ドライバーの渡瀬が フサシのところへやってきた


『お〜い 田嶋〜 おはよう! 』

『あっ 渡瀬さん ! おはようッス 』


『 田嶋…おまえ 矢野の事…なんか聞いてないか ?』

『……ぇっ ケンちゃんどうかしたんですか ? 』
渡瀬は 首を傾げながらも 汗ばむ表情は不満な色に満ちていた


『連絡がつかないんだよ ! 昨日も連絡はなかったしな…… 』


『 ぇ !? そうなんスか………… 』

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