《MUMEI》 「ねぇ、あんた前に部屋で何かしてたでしょ? 何してたの?」 「──ぇ」 ‥お答えしたいのは山々なんですけどね‥? 今はまだ‥駄目なんです。 というか‥完全に停滞してしまってますし‥。 「何で隠すのよ」 「‥済みません‥」 「──別にいいけど?」 そう仰いながらも‥やはり気になってらっしゃるらしい花禀様。 「さっき──森下来たでしょ」 「ぁ‥ハイ‥」 「何か言ってた?」 「いえっ、何も‥‥‥言ってなかったです‥」 咄嗟に、嘘をついてしまった。 花禀様がお食事を作って下さっている事──僕が知ってしまった事がばれたら大変だし‥。 前へ |次へ |
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