《MUMEI》
本番衣装
遅れてやってきた洋子先生と貴志先生は、見学組をあっさり受け入れた。


「でも、本番に近いリハーサルだから見たら楽しみ減っちゃうかもよ」

「何回だって見たいです!」

「大体、今日はちゃんと揃って無いんだろう?」

「でも、いない役者は平凡二狼だけよ?」


(保の扱い酷いな)


俺は、一人だけステージ裏で衣装に着替えながら、洋子先生と志貴、鏡月の会話を聞いていた。


ちなみに、頼と他の男達は体育館裏


女性陣は部室で衣装に着替えていた。


「じゃー俺はエイミー迎えに行ってくる!」

「待て頼! その格好でうろつくな!」


(変態っぽいから!)


俺は慌ててステージから飛び出て頼を捕まえた。


「だーっ…て、…うわ、祐也セクシー」

「…お前ほどじゃないから」


その時


「どっちもどっち!」


見学組からツッコミが入った。


頼は、素肌に黒い毛皮のベストに、黒い皮パン


俺は、黒のヘソ出しタンクトップと、黒い短パン


そして、俺達の頭には黒い耳が


ズボンの後ろには立派な尻尾が付いていた。


ちなみに、ここにいない保は黒いTシャツハーフパンで、耳と尻尾は俺達より小さかった。

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