《MUMEI》

「……それで……他に何か言ってなかったのか ? 」
主任は不思議そうな困惑色な顔を浮かべて麦茶の入ったコップをフサシの前に置いた


「ええ…さっき話した彼女のコトと 今日は仕事に来るから……って… 」

フサシは昨晩のケンイチからの着信やメールの内容をコト細かく主任に話した

「…そうか……まぁいい…後で…警察が来たらそのへんをもう一度話してみてくれよ …… 」

パソコンの仕入れ価格を見ながら すっかり落ち着きを取り戻した様子でその髪の毛のフサフサした主任はフサシに言った


暫くして所轄の刑事(デカ)が 二人ほど仕事場にやって来て 作業員一人一人に短く話しを聞いてきた


その二人の刑事(デカ)はフサシのところにやって来ると…おそらく最後の連絡相手で…しかも仕事場では一番親しくしていたフサシの プライベートな事までもいろいろと念入りに 尋ねてきた 。

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