《MUMEI》
Shared Secret.秘密の共有。
深夜、家に帰ってくると、当たり前だが電気は消えていて、もうすでにアキラとくるみは部屋で寝ている様子だった。


俺はさっさと風呂に入り、いつも通りビールを開けてベッドルームに入るとアキラが気持ちよさそうに眠っていた。

部屋のオレンジ色の灯りをほんの少しだけ付けて部屋を眺めると、ベッドの近くまでそっと歩み寄って、寝ていた愛しのアキラの寝顔を眺めながらビールを煽った。


(…俺の所に来てくれて、ありがとう)


普段言えないような事を、彼の寝顔を見ながらそっと心の中で囁いてみた。

こんな所が俺の中での日本的な所なのだろうな。



飲み終わった瓶をテーブルに置くと、横の棚からペンライトを取り出して、アキラの寝ているベッドの側へと歩み寄る。

アキラは物音がしてもそんなに起きる方ではないので、いつもしているちょっとした趣味でもある、昔は双子の兄弟にもこっそりとしていた深夜の楽しみをこっそりと開始した。



彼の頬に触れるとアゴをそっと掴み、口を開けさせてペンライトをつけると、その中をじっくりと眺める。

綺麗に生え揃った白い歯に艶やかな舌、形の良い上顎から喉にかけてのライン。

口だけじゃなく傷が癒えてきた耳の端に触れながら、耳の中、首のライン、うなじから鎖骨周辺にかけて顔をギリギリまで近づけて彼の香りを楽しみながら、美しい身体の曲線の眺めをうっとりと眺めて楽しんでいた。

「…ぅん…ん」

こうやってたまに寝返りをうつので、手を離して動きが止まるまでその寝相を見守る。

横向きになった横顔も美しいな…と思いながらじーっとその横顔を眺め、またそっとその身体に手を伸ばした。



「……ねぇ、ちっこ…ありぇ…何してゆの?」

気の済むまで彼を隅々まで眺め終わり、そろそろ彼の寝巻きのボタンを外して一番のお楽しみに突入しよう…としていた所にくるみがトイレに起きてきてしまった。

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