《MUMEI》

「…いえ…見たことないっすね……… 」

フサシにはまったく見覚えのない顔の二人だった 。


「…よ〜く 見て…どこかで見たとか…… 矢野くんの知り合いとか………… 」

郷田はしつこく写真を見せてきた


「…まったくわかりませんよ…… この二人が 矢野さんとなんか関係あるんですか…… 」


「いえ……それは……
そうですか…… 」

郷田はあきらめたような顔をして…写真を引っ込めた

「……誰なんですか…」


ボクは逆くに郷田に聞いてやった…


郷田のメガネの奥が一瞬キラリと光ったような気がした


「……… この二人はすでにお亡くなりになっておられるんですよ……それも…同じ日に……
あ…どうも… こんなときにお引き止めして ……ご協力ありがとうございました 。 ところで ……
タマロフスキー……… 」

「 えっ ! 」

フサシはその不意を突かれた言葉に…びっくりした

「タマロフスキー ってだれですか ? (笑)
…いや…また 何か思い出したら…ここへ御連絡をしてください…… 」


郷田は そう言うと 小さな名刺をフサシに渡して… 去って行った…… 。

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