《MUMEI》

綺麗だ──。





「あれっ‥花禀様?」

「庭行きましょ♪」

「お庭‥?」

「ほらっ、早く行くわよっ?」

「はいっ‥‥‥、?」





という事は‥外して頂けるんですか‥?





「──ぅわッ」





もう少しお手柔らかにっ‥。





「──ぁ‥花禀様コートをお召しになって下さい」

「ん‥」

「後、マフラーと手袋も──」

「そんなに降ってないから大丈夫よ」

「ぁ‥でもかなり冷えますし‥」

「ていうか、あんたもコート位ちゃんと着なさいよ」

「ぁ‥ハイ‥」

「‥何?」

「ぃぇ‥」




花禀様、ガッチリ僕の首輪の鎖を掴んでらっしゃる。





「ほらっ、コート着たならさっさと動くっ」

「ぅわっ‥ちょ‥お待ち下さ‥!!」

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