《MUMEI》

「──おはよう──」




「ぁぁ」




「──あのね‥?」




「ん」




「妖月が言ってたでしょ? 僕達が元に戻っても──ありのままでいられる方法がある、って」




「そうだな──」




「僕──考えたんだけどね‥?」




 空を見上げながら、紫苑が言う。




「言った方がいいんじゃないかな──」




「‥入れ替わっている事を、か‥?」




「うん」




「だがそれでは──‥」




「分かってる。信じてくれるかなんて分からないけど──でもね? ちゃんと僕達の事分かってもらった方がいいと思うんだ」

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