《MUMEI》

お邸に戻ると──。





「あっ、お嬢様お庭にいらしたんですね──」

「ええ。それでねっ? 篠河と雪だるま作ったの♪ 森下も後で見てよね?」

「──はい。ぁ──そうだ、篠河君」

「はい、何でしょうか──」

「やっと出られるようになったのね、良かった」

「はい──一応‥‥‥!?」

「ほら、部屋行くわよ」

「ひ‥引っ張らないで下さッ‥」





そろそろこの鎖外して下さっても‥。





「かり‥‥‥」

「ぁ──」

「ぇ」

「外して欲しい? 鎖」

「──花禀様が‥宜しかったら‥」

「あんたがもう2度とブッ倒れないって誓えるなら、ね」

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