《MUMEI》
部活の場所
「祐也、お疲れ」

「…お疲れ、志貴」


お互い全然疲れは感じていない様子だったが、俺はとりあえず志貴に合わせた。


「今日、愛理さん来るんでしょ? 私も会いたいから行く」

「え、でも志貴の分は…」

「昨日頼んだから、一緒に持ってきてくれるって」

「そっか」


(さすが)


そして俺は志貴と一緒に部室ではなく第2調理室に向かった。


それは、演劇部の部室では全員がゆっくりお菓子を食べれない事と


貴志先生が考えてくれたからだった。


「荷物持ち兼案内役がいて良かったわよね」

「そうだな」


(じゃなきゃ、初めて来た愛理さんは、迷うよな)


俺と志貴が向かう第2調理室は、校門から遠く


かなり奥の棟の、突き当たりに位置していた。


(仕方ないよな)


どの教室も、文化祭準備の為に使われていて、ここしか空いていなかったのだから。


そして、一番乗りした俺と志貴の後に次々と部員達が集まり


「お待たせ!」


最後に愛理さんと貴志先生


一年生部員


そして、既に口に何かを入れている洋子先生がやってきた。

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