《MUMEI》 六 真の自分桜も、紫苑も、女を見つめてぽかんとしている。 「済まない、この姿でお会いするのは初めてだったか──」 「ん‥」 声で、気付いた。 「──狐叉?」 女が、頷く。 「近頃は滅多に外へ出る事も無かったのだが‥あの姿ではここへ昼間来させて頂くには些か問題があったものでな」 「そうか──」 しげしげと、狐叉を見つめる桜。 (若いな‥) 声音からして、そうは思っていたのだが──七尾ともなるとかなりの年齢だ。 (ん‥待てよ‥? となると‥妖月も‥) 前へ |次へ |
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