《MUMEI》

「如何なされた?」




「ぃゃ、それで──何用だ?」




「ぁぁ、それが──」




「?」




「何かお困りのようでらしたから」




「それが──‥」




「──僕達、本当の事を言おうと思うんだ」




「‥皆にか‥?」




「うん」




「──本当にいいのかっ?」




「‥こら妖月」




「ぁ‥ごめんなのだ」




 ぺこり、と頭を下げ、妖月は狐叉の隣りに正座した。




 だが、落ち着かないのか──懐から黒手毬を取り出して投げ始めた。

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