《MUMEI》
一生涯分中心
「俺は七生がどんな形でも好きって言ってくれれば生きてられる気がする。」

愛人でも、いいや。
瞳子さんには悪いけど、七生は諦められない。
俺の一部、いや、一生涯分は七生を中心に回っているから。


「じろー、死ぬのか?」

真剣に聞いてくるし。


「はは、たまに死にたくはなるよ。」

今日は特に……







鞄が震動する。


「なな……」


「二郎のだ。」

七生が鞄を漁る。


「あ、ありがと」

手を伸ばす。


「もしもし。」

七生が出るのかい。

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