《MUMEI》
7話 聖夜のワルツ
「篠河っ、ケーキまだ出来ないの?」

「済みませんっ、もう少しで‥」





今日、12月24日は──たぶん僕にとって、一番忙しい日だと思う。





「ねぇ、ちょっと見せなさいよ」

「ぁ‥完成してからでも‥宜‥」

「やだ。今見たいの」

「まだ出来上がってないですよ‥?」

「──いいのっ」

「ぇッ‥ちょ‥花禀さ‥」





肩から、ヒョコッと花禀様が覗き込んできたから‥ビックリした。





「──ふーん?」

「あのっ‥花禀さ‥」

「うん‥まぁ味は悪くないわね」

「ぇ‥‥‥」





クリーム‥召し上がりました‥?




「ま、とにかくパーティーまでには間に合うようにしといて」

「ぇ、あのっ‥その苺はっ‥」





飾り付けに使うんですが‥。

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