《MUMEI》

「どうしたの? 凄い冷や汗かいてる」

「いえっ、大丈夫です、本当に‥」





何で僕は変な妄想ばかり‥。





「ぁ──」

「?」

「ケーキばかりに気を取られてはいられないんでした‥」





他にもやらなければいけない事が‥。





ティーセットをテーブルに並べたり、花を飾ったり‥。





「ふぅ──」

「ぁ、ねぇ──頭の怪我大丈夫?」

「ぁ‥はい、大丈夫です」





花禀様が手当てして下さったお陰で──。





「そうそう──お嬢様何か篠河君の為に衣装作って下さってるみたいよ?」

「──ぁ」




そういえば以前‥花禀様が‥。





『あんたにピッタリな衣装作ってあげるからねっ♪』





そう仰っていた‥。

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