《MUMEI》

「──っ‥花禀様‥」





どこに‥。





「──花禀様‥」





残るはここ‥食料庫だけ‥。





まさか‥こんな所に花禀様がいらっしゃるなんて思えないけど‥。





「‥お嬢様──」





いらっしゃらない‥です‥よね‥。





「──────‥」





まさか‥お邸の外に‥?





「‥っ!?」





啜り泣きが‥。





「‥ぁ‥」





まさか‥‥‥。





「‥花禀様‥?」

「ひっく‥」

「花禀様──」

「‥ほっといてよ」

「‥そうは参りません‥こんな所にいらしてはお風邪を‥」

「ほっといてって言ってるの!!」

「‥‥‥‥‥‥‥」

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