《MUMEI》 「……そうだよ、俺。今、何処なの安西。」 安西…… 「代わって。」 七生が眉をひそめ、俺を跳ね退ける。 「悪いけど二郎には代われないから。」 「ななお……!」 引ったくってやった。 「馬鹿っ、二郎!」 服を引っ張られたが構いやしない。 『せんぱい?』 なんだか、ほっとした。 安西だ……。 「安西、あの、ごめん、どうしよ、どうすればいいんだ?」 『もう、いいです。俺……疲れて。』 「今、どこにいる?」 『……さよなら…… 駅前です。』 鳥肌が立つ。 こんな、説得力のあるさよならは初めて聞いた。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |