《MUMEI》 ‥せっかくのパーティーなのに‥。 ‥何だか‥大変な事が起きてしまった。 『‥ゎ‥』 『ぇ‥花禀さ──』 花禀様は‥ご自分のドレスの裾を踏まれただけ‥。 それで僕の方に倒れて来られただけなんだ。 「──花禀の事なら──心配いらない」 「ぇ」 「君は、いつも通りにしていていいから」 「‥そうは‥参りません‥」 僕が‥きちんと花禀様を支えて差し上げる事が出来なかったから‥。 だから‥あのような事に‥。 「──はい、篠河君──ジュースでもどう?」 「ぁ‥どうも‥」 グラスを受け取って、横を見る。 グランドピアノの側で、花禀様は──楽しそうに神山さんと話してらっしゃった。 前へ |次へ |
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