《MUMEI》

‥せっかくのパーティーなのに‥。





‥何だか‥大変な事が起きてしまった。





『‥ゎ‥』

『ぇ‥花禀さ──』





花禀様は‥ご自分のドレスの裾を踏まれただけ‥。





それで僕の方に倒れて来られただけなんだ。





「──花禀の事なら──心配いらない」

「ぇ」

「君は、いつも通りにしていていいから」

「‥そうは‥参りません‥」





僕が‥きちんと花禀様を支えて差し上げる事が出来なかったから‥。





だから‥あのような事に‥。





「──はい、篠河君──ジュースでもどう?」

「ぁ‥どうも‥」





グラスを受け取って、横を見る。





グランドピアノの側で、花禀様は──楽しそうに神山さんと話してらっしゃった。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫