《MUMEI》

「この緑のって何なの?」
「あっ、ネギダヨ」
「ネギか、こんなになるんだな」
「ヤ、ネギダヨです♪」
「んぁ…ネギだぞ」
「イエス、ネギダヨ♪」
「…まぁいいや」

スープにちょっとパセリのように散らした”ネギダヨ”に何かあったみたいだけど、何だろう?

日本の食材みたいだから、寿司に天ぷらにギョーザ、日本の料理とか色々勉強してさくらに喜んでもらいたいな。

それで作れるようになったら皆に自慢出来るし、日本食は高級だから、お店だって出せるかもしれないなぁ〜。

不思議なものがたくさんの日本なんだな。



「いただきます」
「い…ただきます?」

さくらが突然手を合わせて”いただきます”とお祈りして食べ始めたので、僕も一応そのしぐさを真似してみた。

どうやら食事前のお祈りの日本スタイルだったらしい。

カトリックなら”天に召します我らの神よ〜”と長々しいお祈りを家長かママがして、家族もずっとそのお祈りを聞いてなきゃいけないんだけど、こんな一人でシンプルに全てを言い表せる言葉があるなんて、さすが何でもコンパクトにする国なんだな。


便利な店はたくさんあるし、どんな店の店員さんも高級ホテルのようなサービスをしてくれるし、鉄道も街も綺麗だし、灯りも明るいし、みんな笑顔だし。

それに一番嬉しいのは、女の子が可愛い事だった。

これは父上も好きになるワケだ。

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